冬の『寒さ』
文章練習
最近、あいつはいつも話題に挙がる。
あいつの話題が出ない日なんて無い。
「今日もあいつが激しい」だとか「あいつは昨日よりも激しい」だとか。
そんなに好かれているわけではないけれども、だれもあいつの存在を否定しない。
居なくなったら居なくなったで、それはとても寂しいんだ。
そう、あいつはみんなのムードメーカーだから。
他の学部の奴でさえ、あいつのことを話している。
あいつはかなりの有名人だ。
だってフルネームをみんなが知っているのだから。
僕の苗字さえも知っていない人が多いのに、あいつはみんなに知られてる。
ちょっと嫉妬も覚えるけど、これは仕方のないことだ。
授業を終えて校舎から出ると、いつもあいつはそこに居て、
僕らの歩みを緩慢にする。
きっとまた明日もあいつと出会うだろう。
これから数ヶ月、あいつが外に居ない日は無いのだから。
あとがき
何を言ってるんだ?と思った人もいるかも知れません。
『寒い』って言葉を擬人化してみました。
うん。唐突にもほどがあったね、これは。
うん。無理にもほどがあったね、これは。
うん。寒さにもほどがあったね、今日も。
この静岡は寒さの質が違いますね、高山とは。
比較項目 | 静岡の冬 | 高山の冬 |
---|---|---|
たいていの天気 | 晴れ | 曇り |
晴れの持つ意味 | 晴れ=快晴 | 晴れ=雪が解ける |
気温 | 氷点下までは行かない | 氷点下が普通 |
風 | 強風 | あまり吹かない |
湿度 | かなり低い。0%? | 高い |
折角なんで科学的に説明するとですね、
静岡は、
気温はそれほど低くないが湿度が低く風が強い。
そのため、静岡の冬は、人から多量の熱と水分を奪う。
人は汗などで体表近くの湿度を高めているのだが、
この水分が奪われるとき同時に熱も奪われるのでやっかいだ。(気化熱を思い浮かべればいい)
通気性のある防寒着では寒さは防げそうに無い。
体感気温は、気温に対して低いであろう。(失われる熱エネルギーが大きい)
一方の高山は、
気温は低いが風が穏やかで湿度が高い。
静岡に比べ、体表近くの水分や熱をあまり奪われないため、
高山の冬は、防寒着に身を包みさえすれば、多少寒さを防ぐことが出来る。
体感気温は、顔がかなり寒く、服を着ている部分は暖かいく感じるであろう。
一言で言えば、
静岡は、一気に体が冷える。
高山は、じんわりと体が冷える。
ということだね。
これが太平洋側と日本海側の違いらしい。