mixi潜入任務

……
「060401:1518 ターゲット[mixi]に潜入完了。
 これより作戦行動を開始する――――」

(ここが、mixiか。)

・・・・・・

(周りには誰もいないのに、人の気配だけはある……。
 こいつぁ、㌧でもねぇ処へ来ちまったようだな。)

「へへ……。今年は面白い『嘘つきの日(エイプリルフール)』になりそうだぜ……!」

「宅急便で〜す。」
「うおっ!?」
背後からの突然の声に僕は驚いた。
「代引きの品、お届けで〜す。」
「おお!注文したマウスだ。って、あんたどうやってここまで来たんだ?」
宛名の住所はここからはずいぶん離れたところにあったはずだ。
「遠くはるばる追跡してきました。」
まぁ、ちょうど今すぐに欲しかったんだ。ありがたく受け取るとしよう。
「それはそれはご苦労さん。さt」
「1280円です。」
配達員は注文した荷物の入った箱を全く手放そうとしない。
「く・・・・・・。」
「1280円です。」
どうしてもお金が要るらしい。いやな世の中になったもんだ。
ただでさえ、今も昔も持ち合わせが無いというのに。
何とかお金を払わずに済ますことはできないだろうか。
(くそっ、なぜ任地でこんなことに悩まなければならないんだ。ん?任地?そうだ・・・・・・!)
そう。俺は今、任務遂行中なんだ。これを口実に利用しない手は無い。
「潜入任務を妨害されたのに金が要るのか?」
運送料を謝罪金で相殺するのだ。営業妨害ということで、法的にも問題は無い……気がする。
なにせこいつは俺の仕事の邪魔をしたんだ。それくらいはやってもいいだろう。
「チップ払えよ、カスが。」
予想に反して配達員は怖かった。
ここはまだ日本だ、チップなどは存在しない。などと反論することさえ厭われた。
別に俺がチキンな訳じゃないんだ。
「お、お代はこれでいいか?」
完全にビビッた俺はそう言って『秘薬 ポーションコーヒー』を取り出した。
「何ですか、この茶色く濁った液体は?」
「秘薬PC(ポーションコーヒー)だ。」
「・・・・・・材料は?」
ポーションコーヒー。」
だんだん『秘薬PC』独特の香りが辺りに立ち込めてきた。
「くぁっ!!なっ、なんだこの臭いは!?」
なんとも言い表せない臭いが、配達員に感想を言わせた。
「驚いたかね。だが、秘薬PCの力はこんなものではないぞ。」
臭いにひるんでいる隙に、俺は配達員の口にPCを流し込む。
「ぬぉおきゅわぁftgyふじこlp;@:」
「わかったか?これが味を殺すということだ。」
さすがは『秘薬PC』だ。俺たちが腹を壊しただけのことはある。

ただ、問題は・・・・・・



このマウスが使いにくいということか。